たそがれみやびのつれづれ日記

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【人体の正常構造と機能】これだけは買った方がいいコスパ最強の教科書

みなさんこんにちは、現役医学生のたそがれです。

 

今日は私が基礎医学で一番買ってよかったと思っているおすすめの教科書を紹介したいと思います。

 

それがこちら、日本医事新報社から出ている『人体の正常構造と機能』です。

 

 

よく、医学部の教授から「教科書を読め」「成書を読みなさい」と言われることも多いのではないでしょうか?

でも、せっかく教科書を買っても、使わないと意味がないですよね。

かくいう私も何冊か全く読まずに本棚に眠っている教科書があります…

そのお金で何ができたかにゃぁ〜

そういう意味では、この『人体の正常構造と機能』は買っても無駄になるということが99.9%ないと思います。

それぐらい学生に必要な知識を幅広く、そして痒い所に手が届く教科書だと思います。

この記事ではそんな本書の魅力についてあますところなく紹介していこうと思います!

では、いってみましょ〜!

 

 

基礎医学全般にわたる内容

基礎医学は科目がたくさんあって大変ですよね…

解剖学、生化学、生理学、発生学、組織学、病理学…etc

この『人体の正常構造と機能』はこれら全てをカバーしていて、特に解剖学と生理学はこれ一冊で事足りるほど内容が充実しています。

解剖学の教科書については以下の記事も参考になります。

 

私も「科目がありすぎて教科書を揃えるのも大変だし、何かいい本ないかな〜」と思っていた時に先輩から紹介されてこの本に巡り会いました。

実際、購入してその凄さがわかりました。

この本はただ単に基礎医学を網羅しているのではなく、それらをシームレスに繋いでいます。

まるで、オープン型のRPGのように科目間の“継ぎ目”がないのです。

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本書は呼吸器、循環器、消化管といった具合に臓器ごとに章立てされています。

各章では、まずその臓器がどういう構造をしているのか、つまり解剖学・組織学についての解説があって、次にその臓器がどのような働きをしているのか、また細胞レベルではどんなことが起こっているのかという生理学・生化学についての解説があります。

また、その臓器がどのようにできるのかという発生学も学ぶことができます。

これらがいい塩梅のバランスで組み合わされているので読んでいて苦になりませんし、基礎医学を効率よく俯瞰的に学ぶことができるのです。

よく、勉強をするときに「最初から枝葉ばかりを見ず、まずは幹の部分をしっかり学べ」と言いますが、この本はまさに「幹の部分を学ぶ」のにうってつけの本です。

解剖学、生理学など各科目に特化した本を最初からガツガツ読んでいくのもすばらしい気概なのですが、あまり効率的とは思いません。

この本でまず全体像を把握してから各分野の本に進むのが良いと思います。

もちろん、この本だけでもかなりの情報量があるので、テスト勉強程度ならこの本で事足りることも多いです。

簡単すぎず難しすぎない医学生にちょうど良いレベル

よく医学生が持っている標準〇〇学といった本などは割と細かいところまで書いてあり、文章が多くイラストが少ないのも相まって、初学者には厳しいことが多いです。かといって看護学生向けに書かれたようなイラスト満載の本だと、分かりやすいのですが内容が浅すぎるといった問題点があります。

『人体の正常構造と機能』は医学生向けに書かれているので、レベル的にもちょうどいいですし、豊富なイラストや写真のおかげでとても分かりやすいです。

これだけ「内容の深さ」と「分かりやすさ」を両立した本は他にはなかなかないです。

医学生として押さえておくべき基本的なことはしっかり解説してあり、逆に細かすぎることは載っていないのでテスト勉強にもぴったりです。授業のレジュメでは内容が膨大すぎてどこが重要な部分かよく分からなかったり、そもそも量が多すぎて一から読むには効率が悪すぎることがよくあります。

そんな時にこの本は真価を発揮します。

私も過去問を解いて分からないところをこの本で調べてある程度知識をつけてからレジュメを解読していました笑。この勉強法はとても私にあっていて、低学年のうちから自分の勉強スタイルを確立することができました。

この本のおかげもあって今まで一度も再試験にかからずに進級できています!

本当に最高の本に出会えたにゃ!

たまに本書に「内容が薄い」などと言って批判的な先生方もいらっしゃいますが、そんな話を聞くたびに、「学生の気持ちを分かっていないなぁ」と思います。事実学生でこの本を悪く言っている人は見たことがないし、より詳しく勉強したい人もこの本はその足掛かりになる良書だと思います。

洗練されたレイアウト・豊富なイラストや写真

医学以外の専門書にもよくあることだと思いますが、医学書においても白黒印刷でイラストや写真がほとんどなくて分かりにくいし読んでいて面白くない本が多いです。

きっと、ニッチな分野で競合が少ないほど工夫をしなくても売れるのでこんなことになっているのだと思います。現に医学生の6〜7倍の人数がいる看護学生向けの教科書は全編カラーのものがほとんどでイラストも豊富でとても分かりやすいものが多いです。

『人体の正常構造と機能』はそんな医学書界に一石を投じてくれた名著だと思います。

まず、レイアウトについてですが1テーマ見開き1ページを基本にしていて、内容がページを跨がないので読んでいてストレスフリーですし、パッと開いた時に視覚的に情報が飛び込んでくるので調べ物にかかる時間も短くなります。

また、重要なキーワードは太字になっているので、「ここは重要なんだな」「これは覚えておこう」といったことがすぐに判断できますし、蛍光ペンで線を引く手間も省けます。個人的には教科書には何も書き込みたくない派なのでこのポイントは大きいです。

レイアウトって結構大事なのにゃ!

次にイラスト・写真に関してです。これは、この本の最大の特徴と言ってもよいところで全部で1113ものイラスト・写真が掲載されています。(頑張って数えました笑)  目次と索引を除いたページ数が831ページなので1ページに1、2枚の割合です。実際、文字だけのページはほとんどありません。

個人的に感動したのは、肝臓の肝小葉のイラストです。このあたりは門脈と中心静脈の関係などずっとよく分かっていなかったので初めてこのイラストを見たとき、もやが晴れたように本当にスッキリしました。

組織像についても病理学者の渾身の一枚がたくさん載っています。気管支粘膜のページなど眺めているだけでも面白いです。今、実際に見返しながらこの記事を書いているのですが、周りよりも一回り大きいクララ細胞を「クララが立った!」と覚えていたのを思い出してとても懐かしい気分になりました笑 

ここまでのまとめです。

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上級生になっても使える臨床とリンクした解説

私はよく教科書を部活の先輩から譲ってもらっていたのですが、この教科書だけは先輩もき「今でも使うからあげられない」とのことだったので自分で購入しました。

 実際に今6年生になって、先輩の言っていたことがよく分かりました。当たり前ですが臨床医学は解剖や生理といった基礎医学が分かっていないと分かりません。単純暗記でその場しのぎはできても、理解を伴った暗記のためには基礎医学は不可欠なのです。

しっかりした土台を作るのが大事にゃ!

基礎医学の他の本は今はもうあまり見ないのですが、今でもこの本だけは基礎医学で分からないことが出てきた時に調べるために時々使います。最近では、国家試験の過去問を解いていて、肺胞の「一次小葉」と「二次小葉」の違いが分からず、この本で調べました。みなさんは分かりますか?笑

また、基礎医学のうちから臨床を意識して勉強できる工夫がされているのも本書の良いところだと思います。

例えば、血液の分野では、再生不良貧血や赤芽球癆などの貧血疾患が赤血球のどの分化段階での異常なのかを解説していたり、Rh不適合妊娠では体で何が起こっているのかということも載っています。

よく低学年のうちは「こんなこと勉強する必要ある?」と思うことが多いかもしれません。実際、自分もそうだった気がします。そんな時に「今勉強していることが臨床医学につながっているんだ」「将来に生きるんだ」ということが分かればモチベーションも少しは上がると思います。

書籍を買うと無料で電子版もついてくる太っ腹仕様

私は当時、第2版を買いました。

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今でも大事に使っています。日本医事新報社さんありがとう!

その時は電子版はついていなかったのですが、第3版から無料で電子版が付くようになりました!

iOS とAndroidに対応した専用アプリでスマホ、タブレットで閲覧できます。電子版は別売りで書籍と同じ値段がするものも多いなか、本当に太っ腹な仕様だと思います。

本書は厚さが4cmくらいあるのでかなり重さがあります。ちょっとした鈍器レベルです笑。持ち運びが楽になるのは相当大きいです。私も3年生の時から、完全に電子化してiPadで勉強しています。電子化は荷物が軽くなるだけではなくて、検索が効率よくできたり、複数の端末から見れたりとメリットが多いので、入学した時からデジタルで勉強していくのがおすすめです。

本を購入しなくても、サンプルページを見れるので気になった人、購入を検討していている人は是非見てみてください。自分もダウンロードしてみたのですが、サクサク動いて、目次・検索・しおりの機能も使えてとても便利です。

人体の正常構造と機能

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まとめ

いかがだったでしょうか?今回は『人体の正常構造と機能』について紹介しました。

この本は本当によくでできていて、何なら医学部進学が決まった瞬間に買ってもいいくらいの本だと思っています。私自身、テスト前に何度この本に助けられたことか…笑

友達でも使っている人が多く、学年の7、8割はこの本を持っていると思います。学生の間では「正常構造」と略されたり、表紙が黒いので「黒本」と呼ばれたりしていて、多くの人に愛されている人気の本です笑

みなさんも是非買ってみてください!絶対後悔しないと思います!

 

 
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